サトカズの片割れがつづる設計の日常
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カテゴリ:展覧会( 10 )
第五十七回日本伝統工芸展の感想
先日、日本橋三越で開催された第五十七回日本伝統工芸展をみてきました。

詳細はこちら http://www.nihon-kogeikai.com/KOGEITEN.html

ここ数年、開催されるたびにうかうかと足を運んでいるのですが、今年も例年どおり(?)最終日に見に行ってきました。もちろん素人の感想なのであてにしないでほしいのですが・・・焼き物よりも木竹工や漆工のほうに見るべきものが多かったような感じがしました。

いつもおもうことですが、ものだけがずらっと展示されていたとして、その中から受賞作品を自分が選べるのかな、という気持ちになることがあります。審査員の心象におもねるわけではないのですが、それなりに玄人の見立てと自分の判断の違いくらいは分かっていたいと思ってしまいます。

今風にいえば「人は他人」と言い放ってしまえばよいのでしょう。でもね。これまでの経験からすると、経験を踏めば踏むほどある一定の判断基準が出来てしまう。知らない人がみると、全くわけがわからんチンプンカンプンなのに、何度か経験していくとどうしても「コレ」になる。

その「コレ」を確認しに行くのが僕にとっての伝統工芸展なのだと思っている。

そんな僕にとって今年の日本伝統工芸展はややほっとする感じがした。日本工芸会総裁賞を受賞された磯飛節子さんの重ね六つ目盛籃「水鏡」、日本工芸会奨励賞をとられた宮本貞治さんの栃拭漆流紋飾箱は、なるほどねという気持ちになれた。

それはそれとして他に面白かったことが二つあって、一つは染色や織りなどの和服が面白いと思ったこと。もう一つは若い木工の職人さんらしき青年が見に来ていて、それはそれは熱心に見ていたこと。文字どおり食い入るようにベターっと張り付いて見ている。あんまり面白いので知られないように後をつけてしまった。ちょっと恥ずかしくもあったが、彼と同じ格好で見てみると、なんとなく何を見ていたのかが分かったような気になって、さらに面白くなってしまった。変な奴が一人増えたわけだ。

きっと彼の頭の中では身体を動かして実際に木を削ったり組み立てたりする感触がしているのだろう。その音や香りがこちらまで伝わってくるようだった。



帰りに相方と早矢仕ライスを食べた。

またしばらく忙しくなる。


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by satokazu_n | 2010-10-16 23:25 | 展覧会
スペイン・リアリズムの密度 磯江毅展
だいぶ間が空いてしまいました。
忙しくはしていてもあいた時間を利用して展覧会などに足を運んでおりました。
その中からいくつかを紹介したいと思います。

まずは平塚市美術館でみた「スペイン・リアリズムの密度 磯江毅展」

詳細はこちらを参照
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/2010205.htm

写実的な表現。透明感のある画面に並べられたモチーフが宗教的な雰囲気を醸している。
いっけんするとそんなかんじなのですが、よくみるとその透明感ゆえに別のものがじんわりとみえてくる。そんな奥行きのある体験が面白かった。

写実的な絵というのは、ともすると「わぁ写真みたい。じょうず―」などという感想で終わってしまいがちなのだが、その透明さゆえに浮かび上がるものもある。

たとえば画面の汚れ。よくみると画面にシミがついている。10センチくらいの丸い輪のようなシミ。まるっきり気がつかなかった自分に驚くのだが、コーヒーを飲んだ後テーブルに残るしみのようにも見えるし、天使の光輪にも見えるといえば見える。普通、どのようなものであれ画面の上に存在する以上は、作者の意図、として理解するほかない。ではそれはなんなのか。透明な、写真のような絵の上にさらに透明な何かがあるようなきがしてきてしまう。

そんな磯江毅さんの絵をみているうちにだん深みにはまり2回3回と見直す羽目になった。

絵のタイトルカードにちょっとしたエピソードが書き込まれていて、たとえばモデルに使っていたブロッコリーが途中で食べられてしまい急きょ似た感じのブロッコリーを見つけて描いた、とか。大したことではないけれど、そんな一文から絵の世界にすっとはいっけいける。キュレーションの妙といっていいと思う。それに観覧料がとってもお安い(200円)ので助かりました。無料で遊園地に行ったような気分。

高橋由一の「鮭」のパロディーと晩年の闘病中の自画像と絶筆が一つのコーナーに納まっているのをみて、不思議な感覚を持った。磯江毅さんの人柄とみるべきか、人生の面白さとみるか。


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by satokazu_n | 2010-10-09 12:22 | 展覧会
日本伝統工芸展へ行ってきました。展覧会の見方について
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日本橋三越にて10月4日まで開催されていた「第56回日本伝統工芸展」に行ってきました、
(三菱一号館に行く前はこちらに行っていましいた。)

題名にあるとおり日本の伝統工芸による作品展です。
お皿や壺などの焼き物や木工、金工、ガラスや織物などの工芸品が一同にずらっと並んでいます。
美術品」ではなく、あくまでも「工芸品」。
会場も美術館などではなく、「日本橋三越」つまりデパート
価値観や個性の表現の場ではなく、あくまでも技芸の展覧というところが面白い。

NHK教育の「新日曜美術館」という番組で作品の制作風景が紹介されているのを見て、
面白そうだな・・・と思った程度なので、詳しい説明などできないのですが、
それゆえに素人目線で楽しめるところがまたいいところ。
ここ数年通っています。

ちなみに僕の予備知識のない展覧会の見方です。

1.自分が何に興味を持つか観察する。
・・・・・・健康状態のチェックみたいなものですね。

2.他の人の行動や、会話をチェックする。
・・・・・・モノの見方は他人を見て研究する。見方がわかると価値もわかるようになる。

3.会場構成をみる。
・・・・・・主催者が意図していることや、上下関係などが透けて見えることもある。

こんなポイントを見ていくと飛び込みの展覧会も案外楽しめるものです。


下記に受賞作品が掲載されていますので、よろしければご覧ください。
http://www.nihon-kogeikai.com/KOGEITEN/KOGEITEN-056/KOGEITEN-056-JUSYO.html


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by satokazu_n | 2009-10-06 10:23 | 展覧会
まちづくり講演会
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知り合いの方からお知らせを頂き「読売ランド前駅周辺まちづくり講演会」に行ってきました。

もう十数年ほどこちらの駅を利用しているのですが、駅前広場(上の写真)があったり、ギリシャやローマの円形劇場のような円形階段(下の写真)があったり、なかなか楽しい雰囲気の「駅前」を密かに気に入っていました。そんな駅前を舞台に駅前コンサートや、お祭り、ちょっとした改修工事など、最近何かやっているなぁと薄々感じていたのですが、地域ブランドの開発など成果も上げているようで、これから目が離せないなと思いました。期待しております。

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この駅前は谷間にあるので、こじんまりとしているのですが、いろんな背景を持った人がいるのだなぁということも実感できました。僕自身は駅周辺のどぉーっと広がる住宅地の住人という立場なので、どうしても通勤通学という通り過ぎる人の目線で見てしまうところがあります。それに車を使った広域な視点になってしまうので、駅前の位置づけもかなり相対化されてしまいます。車での送り迎えが楽なように駅前の細い道や踏切がなんとかならないのぉ、といったあたりに落着くのですが、設計者の立場からすると、通過する人とそこに留まっている人との関係づけ、新旧のバランス、あたりに手当てしたいところ。考え始めると面白いです。

それはそれとして・・・会場の日本女子大ってどんなところ?というやや不純な動機があったのですが、見透かしたようにお花見見学会のような企画もあるらしく、二人で楽しみにしています。十数年近所に住んでいるのに深い深い森の中、という感じなのでお許し頂きたい。

事務局はこちら>小田急線:読売ランド前駅周辺まちづくりプロジェクト
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by satokazu_n | 2009-03-01 10:46 | 展覧会
安藤忠雄建築展[挑戦ー原点からー]
安藤忠雄建築展[挑戦ー原点からー]を今日やっとふたりで観に行きました。10月3日からやっていたというのに何やっているんだろうか。(本当に。ちなみに12月20日までやっています)平日昼間だからすいているかなぁ・・・と思っていたら案外大入りでした。ゆっくり観賞できる程度ではありますが。

噂の住吉の長屋ですが、図面や写真と違って実物のスケール感は具体的でいい。もちろん実物ではなくレプリカになるわけですが、それでも展示物自体がひとつの建築として成立しているような感覚を持ってそこにある。否応なく眼が反応してしまう。素材感だけでなく設計時の悩みがかいま見れるような気がしてなんだか生々しい。

ネタバレになるかもしれませんが、コンクリート打放しについて。コンクリート打放しとはいうものの実は型枠のパネルの跡をみているだけだ、という話があります。今回の展示は文字通り型枠自体が仕上げとなっていて、明らかにコンパネの表面が露出しているだけなのに、ぱっとみコンクリート打放しに見えてしまうところにまず驚いてしまった。

そのあとはセパ割りや空間のスケールや、光の入り方、使い勝手などなど、面白いですね。

他にもベネチアでのギャラリーへの改装のビディオで映っていた黒い型枠に興味を持ちました。芸術的な施工の仕方というか、普通の化粧コンクリート打放し仕上げの数倍の費用がかかるのじゃないかな・・・仕上がりも綺麗そうだし、コンクリートという石だな。

もう一回行こ。
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by satokazu_n | 2008-12-03 23:08 | 展覧会
船越桂ー「夏の邸宅」展
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先週、東京都庭園美術館で行われている彫刻家の船越桂の展覧会「夏の邸宅」展にいってきました。会期は来週の23日まで。

東京都現代美術館で行われた展覧会以来、ちらちらと作品を拝見してきたものの、以前の静謐で穏やかな雰囲気からすると、神話的な面持ちの飛躍に驚かされました。とはいっても船越さんらしさに落ちついてしまうあたりのジレンマもあり、やはりきれいすぎなのではないか、というところに自分では落ちつきました。私ごときが何を言うかと自分でもそう思うのですが・・・

さて、東京都庭園美術館、つまり旧朝霞宮邸の空間と船越さんの彫刻の競演ですが、これは見事としかいい与がなく、一見の価値があると思います。最近の作品になるほど彫刻の目線は上になるので、かなりシンボリックで空間に映えます。そこで実際使用することを想定すると、もの凄い雰囲気です。窓は閉ざされているので、濃密な内面世界が展開しています。アールデコ様式の内装もぴったりで、神話的な世界にとけ込んでいます。

反対に初期の作品は、彫刻の目線が人の目線に近く、ぱっと見には人ごみにまぎれてしまいそうです。事実、2階ホールや、1階庭園側展示室など、人と彫刻が解けてしまい。人が彫刻に見えてしまうという面白い現象も目の当たりに出来ます。

庭園美術館にくるたびに何か発見出来ないかと鵜の目鷹の目なのですが、今回は1階と2階の建具枠の違いを発見。1階の建具枠は縦枠が幅広く、上枠が細い。2階はその逆で、上枠が幅広く縦枠が細い。1階がやや剛直に格式張って見えるのに対し、2階は垂直性が強調され繊細な雰囲気になっています。そのほか壁クロスの貼り際のモールなど面白さ満点です。おかげでかなり歩くはめになりました・・・

というわけで、お時間ある方は是非ご覧下さい。
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by satokazu_n | 2008-09-18 10:09 | 展覧会
「建築のみる夢」展
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先日の日曜日に世田谷美術館で開催中の「建築のみる夢ー石山修武と12の物語」展へ行ってきました。
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html

普段、目にするこぎれいに納まったお行儀の良い「けんちく」とは違って、内面の奥底からわき上がってくるような構想力や情景に圧倒されました。人と場所、歴史を強引に、しかしながら当然の帰結として動かし、運び去っていく様は「建築」の可能性を鮮やかに見せつけてくれます。17日で終わってしまいますが、今後展開されるであろう実作に注目です。

物事を市場や個人的な思惑のなかで都合よく納めていくデザイナーとしての「けんちくか」が取りざたされることが多いように思うのですが、人と場所という基本要素に対し自発的に働きかけ、歴史の中に打ち立てる(少々ヒロイックな言い方ですね)という本道もきちんと存在しているのだな、と思い、勇気づけられたような気がしました。

建築家の個展にしてはかなり混み合っていました。夜はNHK新日曜美術館でこの展覧会の特集をしっかりチェック。

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世田谷美術館のある世田谷公園。お弁当を持ってきて正解でした。

追記:更新の長期休止、すいませんでした。
   それから・・・近所に二羽ニワトリがいる。
   ・・・冗談じゃないぜ。
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by satokazu_n | 2008-08-07 07:41 | 展覧会
生誕100年 東山魁夷展
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少々前の話になりますが、生誕100年 東山魁夷展にいってきました。

会期終了間際の閉館間際でしたが、滑り込みセーフという感じで1時間ほど楽しむことができました。閉館間際になると、相当混雑したであろう会場も贅沢なくらいゆったりとした雰囲気で、写真の「残照」も独り占めにすることができました。

感想なのですが、やはり実物をきちんと見ることができてよかったなぁという気持ちでいっぱいです。実をいうとそのとき非常に忙しく、こんなところに来ていてはいけなかったのですが、東山魁夷の作品を一堂に拝見出来る機会はそう多くないであろうことや、以前から実物はいかにと思っていたこともあり、お運びとなったわけであります。それでご対面したわけですが、実物はやはりすごい。細かなマチエールや、均整の取れた諧調、みればみるほど細かなディテールが浮かんでくることなど、それから1枚の風景画の中に幾重にも織り込まれたドラマなどなど、観ていて飽きない。いつまでも観ていたくなる。絵の存在感もドンとくる。手に入るものなら手に入れてみたいと思わせるものが十分にありました。いや、眠い眼をこすりながら行った甲斐がありました。

生誕100年 東山魁夷展 | 2008年3月29日(土)~5月18日(日)

国立近代美術館の展示は終了しましたが、巡回展があったと思います。
もしよろしければどうぞ。
いいですよ。
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by satokazu_n | 2008-05-29 09:38 | 展覧会
有元利夫さん
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有元利夫さんの絵にやっとお会いできました。

どの作品も精緻なお顔が印象的でした。
幻想的な雰囲気といってしまえば簡単なのですが。それよりもなによりもゆったりした時間感覚や浮遊感がおもしろい。なんとなく倉俣史朗さんに通じるものがあるような気がしたのですが、当時の時代感覚なのでしょうか。

それから額もすばらしかった。
古いのか新しいのか、出所不明な感覚といえばよいか・・・

また来年お会いできるとよいですね。
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by satokazu_n | 2008-03-10 15:22 | 展覧会
陽明文庫創立70周年記念特別展
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(上野の表慶館 設計:片山東熊)

陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」

昨日、上野の博物館でみてきました。土曜日でしたがスケジュール的にこの日しかみに行けない。朝早く出発したのですが、もうずいぶん混雑してました。だいぶ平均年齢は高そうでしたが、人垣に忍び込みじっくり拝見できました。
話題の御堂関白記よりも「源氏物語」の写本に目がいきました。約4寸角ほどのずいぶん小さな正方形の冊子で、繊細でありながら伸びやかで張りのある筆跡が印象的でした。肉筆とはよく言ったもので、書いた方の息づかいまで聞こえてきそうな生々しい物を感じました。(多分誰でもそう感じるはず)約千年ほど昔の写本のはずですが、昨日書いたかのような瑞々しさ。
そのほか、春日権現霊験記絵巻(かすがごんげんれいげんきえまき、詞書:近衞家熙筆 画:渡辺始興筆)、花木真写、一座之詩歌 (いちざのしいか)、など面白いです。とにかく大量にあるので、しっかり時間をとってゆっくりご覧になるとよいと思います。できればある程度の予備知識があった方がもっと楽しめると思います。展示ケースのガラスに字を書きながら見ている人が結構いました。

平成館 2008年1月2日(水)~2月24日(日)

陽明文庫について
http://ja.wikipedia.org/wiki/陽明文庫
陽明文庫創立70周年記念特別
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=4814
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by satokazu_n | 2008-02-17 09:55 | 展覧会