サトカズの片割れがつづる設計の日常
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千葉の2世帯住宅
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写真は豪徳寺の民家です。

「LDKは25帖以上で・・・」といった表現が住宅コンペの要望欄にはよくみられるのですが、それに見合った予算があるとは限らないわけで、提案する側にとってはこの要望をどうするか悩むことになります。

材料や建材のグレードを落としていって面積をつくり出し、提案を行うという例が多いようにも思うのですが、グレードを落としていった挙げ句に出来上がるものは建売り住宅そのものだから(そうでない方法もないわけではないけれども)、提案する方の個性を売り物とするコンペの体質となじまない。(ここにも提案者と依頼者とのミスマッチがあるんだけれど、それはまた後で。)よって個性的な表現をしながら見積もりだけは建売り住宅にしちゃう、ということになってしまうんじゃないかと、推測しています。

それでは正直に予算オーバーの見積書を書けばいいかというと、さにあらず。依頼者にとってはそんなの論外、とでも感じているのか、見向きもされないようです。なにしろ日常生活ではなんであれ値札がついています。価格は最初から明示されているので、建築コストのように不確定要素満載、というのは理解出来ないのでしょう。

予算条件は無視出来ないとするならば、当然ボリューム、いわゆる面積を削る以外に方法はありません。それに本当にLDKに25帖も必要か?という基本的な疑問もあります。極端にいえば、食事した後そのままそこでテレビなり、会話なりを楽しめば、リビングは要らなくなります。多分、LDKで12もあれば余裕でしょう。それで狭いと感じるようであれば、それは設計が下手なだけなんじゃないか。と、僕はそう思うのです。

広い、大きいものはお金があれば誰にでも出来る。ならばコンパクトに密実につくることを選ぼう、と。幸いなことに100帖であろうと2帖であろうと、四角は四角なのですから、大差ない。というかまったく同じといっていい。大きくても小さくても一部屋の設計にようする労力はかわらないのだし。

つづく
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by satokazu_n | 2008-05-31 07:30 | コンペ雑感
千葉の2世帯住宅
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写真は上野の国立博物館内にある法隆寺宝物館です。博物館に行った後はよくここで二人でぼんやりとしています。

さて、なかなか本題に入れませんね。コンペについてはいろいろ考えていることがあって、一言で済ませられないのです。お許しを。

結局今回の2世帯住宅コンペの問題点とは何かというと・・・設定予算と要望が合わないことと。敷地面積や形状はゆとりがあり魅力的であったことのふたつの点だったと思います。それに対して僕は、比較的小さな規模でも暮らしやすい住宅を提案可能であり、それを十分活かせるだけの敷地がある、というように受け取りました。

予算と要望が整合しないというのはよくあることで、そういう場合の方がほとんどといってもよいでしょう。たいがいのクライアントは安く広くと考えます。(とはいっても本気でそう思っているかの違いはあります)提案する方もそれはわかっていて、適当に見積もりを水増しするか、品質を落として「もしかしたら、こうであれば、できる・かも・シレナイ」という非常に怪しいものを出すわけです。したくてしているわけではなく、そうせざるを得ないのです。このメカニズムについてはまた後にします。

でも設定予算を守っても、きちんとした提案が出来るはずで、僕はそれを目標にしたいと考えています。その方法のひとつとして僕が取り組んでいるのが、小さな面積で大きな満足が得られるように細かく設計していくことと、それを理解して頂けるようにきちんと表現することにあるのです。

というわけで、まだまだ続く。
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by satokazu_n | 2008-05-30 12:23 | コンペ雑感
生誕100年 東山魁夷展
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少々前の話になりますが、生誕100年 東山魁夷展にいってきました。

会期終了間際の閉館間際でしたが、滑り込みセーフという感じで1時間ほど楽しむことができました。閉館間際になると、相当混雑したであろう会場も贅沢なくらいゆったりとした雰囲気で、写真の「残照」も独り占めにすることができました。

感想なのですが、やはり実物をきちんと見ることができてよかったなぁという気持ちでいっぱいです。実をいうとそのとき非常に忙しく、こんなところに来ていてはいけなかったのですが、東山魁夷の作品を一堂に拝見出来る機会はそう多くないであろうことや、以前から実物はいかにと思っていたこともあり、お運びとなったわけであります。それでご対面したわけですが、実物はやはりすごい。細かなマチエールや、均整の取れた諧調、みればみるほど細かなディテールが浮かんでくることなど、それから1枚の風景画の中に幾重にも織り込まれたドラマなどなど、観ていて飽きない。いつまでも観ていたくなる。絵の存在感もドンとくる。手に入るものなら手に入れてみたいと思わせるものが十分にありました。いや、眠い眼をこすりながら行った甲斐がありました。

生誕100年 東山魁夷展 | 2008年3月29日(土)~5月18日(日)

国立近代美術館の展示は終了しましたが、巡回展があったと思います。
もしよろしければどうぞ。
いいですよ。
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by satokazu_n | 2008-05-29 09:38 | 展覧会
コンペ雑感
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写真はお話の内容と関係ありません。

千葉の2世帯住宅の続きです。

僕はいつも予算総額から規模を決めることにしています。後付けで見積り金額を書くことは出来ますが、プレゼン全体が「絵に描いたモチ」になるだけのことで、巧く事が運んでクライアント候補との面談になったときに「見積り金額はでっち上げです」とは言えないし、まかり間違ってそのまま実施になってしまうと恐ろしくクォリティーの低いものをつくらざるを得なくなる。そういうことが心配で、予算に関しては実現性や一般性を基本にしながらクライアント候補の態様に合わせて微調整を加えているのが現状です。

でも他の方の案をみていると、どう考えても建売住宅レベルなのではないかと思うことがあるのですが・・・。以前、ハウスメーカーの注文住宅の見積書を複数拝見しましたが坪65万円前後でしたし、ある有能な工務店が都の主導で行ったローコストハウスの建て売り住宅の単価が2棟同時進行で頑張って坪50万円強との話をきいたことがあり、そういったことから考えると、独立した設計者、建築家が意匠的にも性能的にもそれなりのクォリティーを坪60万円代前半で出すのは相当難しいという感覚を持っています。他の方のご意見いかがでしょうか。

でも仮に予算的に不利な状況で設計をしなければならないことになったら、どうしようかと考えます。通常は僕なりの品質を発揮出来る設定をもとに規模を算定し、そこからご期待に添えるものをつくる作業と、完成像に対する期待や理解を高めてもらえるような説明、プレゼンを重ねていく作業をします。品質よりも面積を求められることも当然多いのですが、ある一線以下にはならないことを申し上げてご判断を頂いております。

建て売り住宅レベルの新建材や既製品の組み合わせでチャチャっと済ませてしまったとしても、設計料はかわらないのですから経営的には助かるのですが、なんだか良心が傷むし、自分のつくったものとして残ってしまうのは非常につらい。

というわけでグチっぽくならないうちに件の2世帯住宅の話を進めましょう。
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by satokazu_n | 2008-05-28 08:40 | コンペ雑感
コンペ雑感
5月も今週を残すのみとなりました。早いですね。
今月は2つのコンペに提案をしました。ひとつは千葉県の2世帯住宅で、もうひとつは都内の一戸建て住宅でした。そのうち詳細をアップしようと思いますが、メモ書き程度に感想を述べておきたいと思います。

千葉県の2世帯住宅ですが、スケジュールの都合がつかず中途半端な提案内容となってしまい惜しいことをしたなという感想が残ってしまいました。どんなに頭の中で出来てはいても、外部に向かって表現出来ていないのではどうしようもない。今回は「そのどうしようもない」という状態でタイムアップがわかり、「平面図だけなら出来るかな」から「平面図だけでどれだけ表現出来るかな」というやや姑息な転向をおこないまして・・・、平面図のみの提案としました。

で、どうだったかというと、それはそれでよかったのかなと思っております。余計な印象が残らないすっきりとしたのどごし、というますか、ボリューム感が足らないのは仕方ないにしても、誤った情報が伝わらないという点では優れた表現手段ではないかと感じました。

僕の一方的な感覚ですが、一般の方は立面図や断面図、パースペクティブの情報をあまり正確には受け取ってはいないという感じがします。平面図以外は描いてある絵がカッコしいとか悪いとかいった印象しか残らないようで、提案する側としては狙った印象を醸し出す「花」として立面や断面、その他の図面を考えざるを得ないなあと思っています。本来は高さ関係や高さ方向の位置関係を伝える重要な手段なのですが、どうも上手くいっていないようで、話をしてはじめて意識してもらえることが多いのです。そういう状況からすると平面図のみの提案はこの「カッコいいとか悪いとか」いうどうでもいい余計な感覚(雑味)のない表現となり、結果的にこれはこれでいいのかなという感想に至ったというわけです。

で、何を表現したかったのかですが、今回は建物の大きさに対する認識にもの申してみたいと思いました。あえて極端にいえば、大きいよりも小さい方が、広いよりも狭い方がいいのではないか、というものです。

詳細はこちらをご覧になってから。> 千葉県S邸

次回の書き込みお待ちください。
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by satokazu_n | 2008-05-27 10:53 | コンペ雑感
よりそう家考
ふと思うのだけれど、この「よりそう家」はこれまで自分のつくってきたものの中でもやや異質なんじゃないかと感じることがある。

まず複数のボリュームで構成された造形なんて案外なかったし、それから雰囲気としてモダンというよりはロマネスク的な雰囲気を持っているのも不思議な感じ。モダニズムと微妙な関係を持っているロマネスクの建築に、ル・トロネの教会というものがあって、業界的にはつとに有名なのですが、そのル・トロネの教会の寡黙でありながら豊かな光や素材、ボリュームの構成に魅せられているといえばそのとおりなのだけれど、なぜいま待ち構えたようにそれが出てきたのだろうか。依頼者の要望のなかに「中庭」という一言があったからといえば簡単ですが、どうなのだろうか。

なんて書くと、ル・トロネで検索をかけてみたくなる?
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by satokazu_n | 2008-05-09 09:23 | HC204-よりそう家
よりそう家
先日提出したコンペの模型を掲載します。ご覧下さい。
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角地なので、やはりコーナーの表情が大事になります。ふたつの家がよりそって、肩をよせ合っているように見えたらよいのですが、いかがでしょう。

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北側の立面です。右手は玄関と子供部屋からなる小さな家です。中央の大きな家はリビングや主寝室が入っています。左手のガレージも小さな家として屋根が掛けられています。

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よっつの小さな家が中庭を囲んでよりそっています。中庭には一本の樹が植えられて、小さいけれども純粋な家族の庭がつくられています。

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空からみています。右手前が南になります。左手前に玄関と子供部屋、左奥の2階建てはリビングと主寝室、右手奥にキッチン、トイレ、洗面、浴室がはいり、右手前には和室があります。ダイニングは中庭に飛び出していて、中庭の自然を楽しむことができます。
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by satokazu_n | 2008-05-02 10:42 | HC204-よりそう家
よりそう家
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西立面です。

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南西から見ています。屋根が重なってひとつの景色を見せています。
これだけのボシューム(かたまり)がひとつの物体として見えてしまうと、この町の風景の中ではかなり異質な雰囲気を生み出してしまうと感じました。近隣なんて関係ねぇー、と言ってしまえばそれまでですが、これまでの経験や勉強してきたことからすると、当然配慮すべき問題として現れてきます。

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なんとなく教会や修道院の建物を思い浮かべるかのしれませんが、それを意識しているわけではありません。
モダンデザイン+ちょっと和という要望があったのですが、ちょっとはずれちゃったのかなと思っています。「よりそった感じ」を出すために切り妻の屋根をモチーフにした段階で「和」からは距離が出た感じです。でも表現したいことがある程度出来たので、よいことかなと思っています。
内観のパースが描けなかったことが悔やまれます。今度は頑張りますのでよろしく。
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by satokazu_n | 2008-05-02 10:00 | HC204-よりそう家