サトカズの片割れがつづる設計の日常
by satokazu_n
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
プロフィール

サトカズ事務所

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ
タグ
(124)
(67)
(53)
(28)
(26)
(25)
(14)
(14)
(13)
(7)
(3)
(3)
(2)
カテゴリ
今日このごろ
展覧会
たてもの見学
インテリアプランニング
建築法規
家づくりのまえに
コンペ雑感
HC248-高窓と中庭のある住まい
HC241-彩のある住まい
模型
P1グランプリ
WH454-海と山を望む家
WH452-見晴し台の家
WH448-柔らかくつなぐ家2
WH447-柔らかくつなぐ家
HC219-ふたつの庭
HC218-杜と水のホール
WH431-見晴し台
HC207-二世帯住宅
WH422-T-house
HC204-よりそう家
HC203-素のすまい
HC202-自然と会話する家
以前の記事
2011年 02月
2010年 10月
2010年 08月
more...
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
タグ:間取り ( 14 ) タグの人気記事
間取りの基本―「ゾーニング」下書き6・・・入口がすべてを決めることもある
間取りの基本―「ゾーニング」下書き6

「入口がすべてを決める・・・こともある」

前回の書き込みを読み直してみてみて、ちょっと書き足しておきたいことがいくつかできてきたので書いてみます。

設計をしていると、何かがネック(制限)になって、なかなか思うような方向に行ってくれない…と感じるときがあります。その原因はいくつかあるのですが、なかでも入口の位置というのは代表的な部類に入ると思います。

どうしても入り口や玄関から各部屋、各機能へアプローチをしなければならないので、当然入口から発想せざるを得ない。しかも入口周りに駐車場や自転車置き場、倉庫や物入れなど玄関周りの要求が高度になるにつれて、どんどん身動きが取れなくなってしまいます。

そこからリビングへの動線は広めにゆったりとしたい。長く、くねくねとした動線にしたくはありません。リビングやダイニングに入ったときの、プレリュードのような気の利いた空間にしたい。そうしながらも、キッチンやトイレ浴室などの表と裏の動線をさりげなくかつ機能的に分離したい。できればキッチンと玄関という動線はきちんと確保したいといつも感じています。キッチンから失礼と言いながらリビングを通って・・というのは避けたい。どこで分離してやるか。それをするだけの面積やスペースがあるか・・・。この玄関なんとかならないかなぁなどと首根っこをつかまれてジタバタジタバタ。

路地上敷地、旗竿敷地のように入口の位置が限定される場合はそれに倣うしかありません。一方路の敷地(敷地の一方にのみ道路がある場合)になると、道路から見て敷地の左右どちらを玄関にするか検討します。角地など2方向からアプローチ可能な場合はどちらの道路から入るか、コーナー部分から入るということもあり得ますから複雑です。建物や敷地の内部の条件と街路との関係をきちんと制御しなければ落ち着いた住まいにはなりませんからとても緊張します。

柔道の試合でお互いに組み手をけん制し合ってにらみ合うという状態を見たりしますが、まさにあんな状態です。時代劇で刀を持ってにらみ合う状態というのがありますが、あれって相手の動きで2手3手あるいはもっと先までの動きを読み合っているんでしょうね。切っ先の向きがわずかに振れるとそれによって次の動きが限定されるから、読めるんでしょうね。上手い人は。(日本刀って1kgぐらいあるらしい。鉄筋棒を振り回そうとしたらそんなに早い動きはできなかったし、一度動かすと止めるにも力がいる)そんな過程の中に読みを外したり透かしたりといろいろあるのは設計と一緒か。

話はずれましたが、いろいろな意味で効率のよさ(面積効率や、動線の短さなど)からすると建物の真ん中付近に玄関があると、何をするにも動きやすいのですが、なかなかそうはいきません。敷地が広くてもそうでなくても変わらない悩みがあります。優先するところを決めてあとはそれなりというのもいいのかもしれませんが。今日もこんなところで鉛筆を動かしています。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-06-01 14:22 | インテリアプランニング
間取りの基本―「ゾーニング」下書き5
間取りの基本―「ゾーニング」下書き5

やはりどうも図面なしでは説明しづらくなった。
丘の上の住まいを掲載したこともあるので、これを使ってゾーニングの手順などを説明してみようと思います。
普段どうやって設計しているかがよくわかると思うし、非常に基本的な手順というのは案外どこにも書いていないので、なかなか面白いのかもしれない。

例によって例のごとくプライバシーなどの問題もありますから、説明にも限界があることをご了承ください。

まず「丘の上の住まい」の敷地ですが、ある都市近郊のやや急な南斜面に位置しています。ひな壇造成されているのですが、よう壁の性質により建物を建てられる範囲がコンペ条件上、点線のように決まっています。通称「がけ地条例」によるものです。とはいっても根入れ深さや地盤改良、がけ崩れ対策などを講ずることにより緩やかに解釈される可能性もあるので、まずはこんなものか、という程度に理解しておきます。それ以外の敷地に関するデータをメモして下記のような図をつくります。

d0138618_14421624.jpg

これ以外にも道路斜線や北側斜線といった高さの制限についても理解しておく必要がありますが、ここでは割愛いたします。とにかく設計上影響がありそうな情報を立体的に把握して、敷地を感覚的にとらえられるようにします。このあたりで間違うと最後まで尾を引きますね。

次に建築可能部分の大きさを把握します。法規や施工上の条件によって決まることがほとんどです。僕の場合は通常、敷地境界線から60センチ離した位置に線を引き、その内部に建物が建つと考えます。狭小地の場合は民法上の50センチよりも小さくできるかどうかを判断し、30センチの離れで線を引く時もあります。

今回の場合は題意から点線部分と決まっているので、それに倣います。その内部に910mmピッチの線を引きます。それが下の図です。

d0138618_14422648.jpg

この910mmというのは木造の基本的なモジュールです。この2倍の1820mmが1間にあたります。マス目2こで畳1帖と考えれば話が早いです。住宅ですので「何帖の部屋」という言い方が一般的ですから、こうして畳のマス目を引いてエリア全体がどういう大きさなのかを、やはり感覚的にとらえます。だいたい4.5間x5.5間(24.75坪)の大きさということがわかります。

ここで題意より35坪が上限となっていたので、2階建にして上下階で半分半分だと17.5坪。上記の建築可能部分24.75坪からこれを引いて、約7坪程度減らすことができるのか・・・というのをつかみます。

d0138618_14424589.jpg

敷地に関する理解ができたところで、ゾーニングに入ります。

まず入り口付近から固めていきます。敷地によっては様々なアプローチができる場合がありますが、今回は図の右上からしかアクセスできないので、建物の右上付近に玄関を設定します。そうなると駐車場はその左奥。ダイニング、リビング、和室や書斎といった快適性優先の部分は日当たりや眺めのよい南投付近に配置し、反対側には水回りなどの機能優先の部分が配置されることになりそうです。

d0138618_14423636.jpg

ちょっと他にもなにかないかな・・・ということで、駐車場の位置を変更してみますが、あまりうまくいかなそうなので却下。この段階では、できる限り何も考えず、極めて一般的な解釈としてどんなものができるかを把握することが大切です。
今回は1階がリビングときめられていたので、2階リビングの検討はしていませんが、本来は1階2階でどんなゾーンにわるのか、とういう検討(見当)も必要です。それぞれのゾーンに要する面積により、それぞれの階のトータル面積が大体わかりますから、建物全体の大きさや面積のバランスを探っていく必要があります。

というわけで、どうなりますやら。
今日はこれまで。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-05-29 15:20 | インテリアプランニング
間取りの基本―「ゾーニング」下書き4
間取りの基本―「ゾーニング」下書き3で、外部の条件についてさらっと書きました。
具体的な外部の条件というのは、このブログで以前に書いたものがありますので下記を参照してください。
カテゴリー「家づくりのまえに」
ここではおもに法規について書いていますが、これ以外にご予算や融資などの経済的条件、構造や設備なのどの技術的な条件、地形や日照などの自然的条件などがあると思います。とりあえずこれくらい把握しておけば、間違いはないでしょう。

ゾーニングの中に敷地分析まで含めていいものか、少々悩みもあります。敷地分析だけでもかなりのボリュームがあって、書こうと思うとちょっとめまいを感じます。敷地を把握するには、大きく分けて地域分析と、個別分析が必要です。地域分析とは、その敷地がどのような地域にあるのかを理解することにあります。また、個別分析とは、その敷地の個別的要因、簡単に言ってしまえば、敷地自体がどのような性格や特性を持っているのかということを理解することになります。敷地のおかれた環境を把握するのが地域分析、敷地そのものを把握するのが個別分析といった方がいいかもしれませんね。さらにちょっと気まじめにいえば、敷地は本来、、地域性と個別性との関係の中で理解されるものだと思います。

とはいうものの、住宅レベルで地域性といっても近隣の地域が住宅系か商業系、郊外か密集地か、分譲地か既存宅地かなど、敷地から見たり聞いたりする範囲のはなしで、日照、採光、通風、眺望といった限定的な観点がおもなものとなるでしょう。個別性というものも、敷地の形状や面積、道路の幅や接道状況、高低差、よう壁や塀などの隣地との関係、地盤の状況などではないでしょうか。

こういった地域性や個別性を把握して、さてさてどうしたものかと鉛筆を握りしめて、「ゾーニング」を考え始めるというのが順序になります。やはり敷地分析は分けた方がいいかな・・・

先の下書き3に倣えば、この敷地分析は牛の血統や経歴、大きさや品等などをみながらちょっと値踏みをしている感じかもしれませんね。敷地を見ながらどうやって食べようかな・・・。
ちょっと下品な表現かもしれませんね。要注意。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-05-21 11:33 | インテリアプランニング
間取りの基本—「ゾーニング」下書き3
d0138618_125015.jpg


下書き2までの説明を読み直してみると「ゾーニング」の内面的な部分にしかアプローチしていないことに気づきました。すべからく何についても内部と外部があって、それらの関係性が結果的にカタチとなって現れているものです。好き勝手にしようと思っていても(これが内部とか内面とかいうもの)常に相手や社会というもの(これが外部)があって、上手くいったりいかなかったり・・・。ゾーニングにはそれがより顕著に現れてきます。

特に建物には敷地境界線といういかんともし難いものがあっていつも迷わされます。ゾーニングをするときはまず、この敷地の性質を読み込まなければなりません。立体的に建物を建てることが出来る範囲や、道路から建物に至る動線、建物の入口、敷地の形状、高低差、方位、近隣の敷地の状況などを理解しながら、敷地の使い方を考えることがゾーニングのもう一つの重要な側面です。

敷地をみるときによく思うことなのですが、牛一頭とか、マグロ一体が目の前にあって、その肉を切り分けているような気分になることがあります。このへんは霜降り肉の上物だからリビングのソファーから見える正面に使いたいな・・・ここは珍味だから和室にしよう・・・ここはそれほどいいものではないから水回り、裏動線かな・・・この赤みは口当たりもいいからダイニングかな、こちらは量も安定しているから個室に使おう・・・などと切り分けながら、刺身やステーキ、煮物に使おうかな、などとそれぞれの調理方法を考えていると、だんだんとゾーニングが完成してきて、おいしい間取りが出来てくるという次第です。実は。

他の方はどういう気分で設計しているのかな。
不動産をみるときもこの見方が使えます。
結構楽しめます。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-05-20 12:11 | インテリアプランニング
間取りの基本—「ゾーニング」下書き2
間取りの基本—「ゾーニング」下書き・・・とりあえずもうちょっと書き進めてみよう。

ゾーニングとは、何かと何かを区別して、それぞれの要素をふさわしい位置に配置していくことである。
・・・などと軽々しく書きましたが、まぁ当たらずとも遠からずという気分になってきました。

1.ゾーニングとは何かと何かを区別することである。

つまり何かの価値基準に照らしながら、漠然とした全体を細かなパーツに分けて、これは右とか左とか、分類していく作業がゾーニングというものなのかもしれません。
たとえば「家」とか「住宅」とか「建物」といったものを、漠然ととらえるのではなく、玄関とか、ホールとか、リビングとかダイニングといった部分の集合によって理解し、把握しようとする試みなんですね。
こうすることで、トイレはもう一個必要だとか、客間は必要なくても和室は必要だとか、パブリックとかプライベートとか、表と裏とか、リラックスする部分と作業する部分とか、それぞれのパーツの必要性や、パーツごとの性格づけや関連性などが明らかになってくるのだと考えられます。

2.ゾーニングとは各パーツを配置していくことである。

分類され、把握された個々のパーツをそれぞれの関係性に従って配置していきます。
各要素間の関係は様々な価値の違いによって位置を変えます。よくまるい領域などであらわされた要素を線で結んでいき、近いものは隣接させたり、離したりと・・・よくやるエスキスのワンシーンですね。
たんに各要素間の関係だけで済めばいいのですが、建物には「外部」というものがあって、この段階になるとそう簡単に済ますことができなくなってきます。要するに敷地の大きさや、法規などによる高さ制限、予算やデザイン上の方針など全体像を規定する力がゾーニングという行為に圧力をかけるようになってきます。器に収まらないという現象です。
それに、日照や通風、眺望によってはどうしても動かせないような要素(南向きのリビングとか)が出てきて言うことをなかなかきいてくれない。

そんなすったもんだを展開するのがゾーニングなのかもしれませんね。

本日はここまで。
今日は打ち合わせ、現地調査など一日外出の予定。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-05-14 01:01 | インテリアプランニング
間取りの基本—「ゾーニング」下書き
動線の基本と題して書いてきましたが、そろそろゾーニングについても始めければ・・・。

とはいってもある程度見通しを立てないとさすがに難しい。
方針や順序、切り口など整理しなければならないことがたくさんある。
しかもゾーニングは動線と違って機能がまちまちで、関係するファクターもいろいろ。
原則1とか2とかいうのは案外簡単じゃない。
動線が肖像画だとすれば、ゾーニングは群像画です。
それぞれの要素の微妙な力関係をどう記述するか・・・悩ましい。

まずはゾーニングの定義から始めるか。

ゾーニングとは、思いつくまま書くと、何かと何かを区別して、それぞれの要素にふさわしい位置に配置していくことだと思うのです。
たとえば住宅でいえば大きくはパブリック(公)/プライベート(私)という分け方があります。
パブリック(公)というのは、家族みんなで利用する部分やお客様など外部の人の目に触れるか触れないかで決まることもあります。具体的には、玄関、リビング、ダイニング、キッチン、トイレ、洗面、浴室などがあげられます。もうひとつのプライベート(私)とは特定の個人が使う場所のことで、各個室などになります。
パブリック(公)/プライベート(私)の分け方は特に決まりがあるわけではなく、上にあげたすべてがプライベート空間として考えることもできるし、またすべてをパブリック空間として考えることもできます。パブリック空間は玄関と客間だけということもあるし、キッチンや洗面、浴室、トイレなどはプライベート空間と考えることもよくあります。

そう考えると、たんにパブリックとプライベートという分け方をしたとしても、その間には各個人の感覚に潜む淡いグラデーションのようなものがあって、あまり明確ではありません。むしろ、そのような分け方を物差しにして、事物をどのように判断するか、つまりクライアントや設計者自身の感覚をどう理解するかということが、ゾーニングという行為なのかな・・・と考えたりするのです。

今日はこんなところでメモ書き終わり。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-05-13 11:56 | インテリアプランニング
間取りの基本—「動線」まとめ
動線の基本と題して動線計画の基本原則を考えながら書いてきました。
ここらでインデックスをつくります。

原則1 ー 動線は入口から出口へ
原則2 ー 動線には幅がある
      動線には幅があるのつづき
      動線には幅があるのつづきのつづき
原則3 ー 動線はまっすぐ。折れるには理由、曲がるには魅力が必要
原則4 ー 動線の勝ち負け

4原則より5原則のほうがゴロがいいかなと思うこともありますが。
まずはこのままとします。多いからいいというものでもないですよね。
実は動線のアップダウンというものもあるのですが、
あまり一般的ではないし、家の中の段差は排除される傾向があるので、
ちょっとわきに置いておきます。(ほんとは奥が深いんですけどね)

間取りとは、動線(廊下、通路)と、機能部分(ダイニング、リビングなど)の、
大きく分けて2種類から出来上がっています。
通りやすさやアクセスのしやすさ(到達しやすさ)が使い勝手や美しさ、楽しさに直結します。
機能部分に目がいきがちですが、結局は動線という骨格のまわりに付いた
筋肉や内蔵のようなものです。
骨格が成り立ってこそ機能するものですから、順序よく考えを進めてましょう。

体がどう動くかと体の大きさがわかれば住宅は何とかなるかな・・・
間取りというものをひらがな程度にやさしく説明できるかな・・・
いちど自分の設計の仕方を全部書き出してみたいな・・・
本当は誰でも出来るんじゃないかな・・・
となどと思いながら書き進めてきたのですが、
テーマに沿った知識の切り取り方や、感覚を言葉に置き換えるのって本当に難しいです。
やはり挿絵とかイラストは必要だなとつくづく思います。
でも全部書いてみてからまた直していこうかと思います、

今日はこんなところで。
次はゾーニングの原則を書こうと思います。
・・・できるかな。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-04-23 11:13 | インテリアプランニング
間取りの基本—「動線」7
■ 動線の勝ち負け( 動線の基本−4 )

 「勝ち負け」ってなに?と思われるかもしれませんね。建築や設計の業界用語で、何かと何かがぶつかったり重なったときに、どちらを優先するか、優先する方を「勝ち」、そうでない方を「負け」というのです。いろいろな材料の組み合わせで成り立っている建物は必ず何かと何かがぶつかります。例えば柱と梁がぶつかって、柱が優先されるときは「柱勝ちに納める」とか、反対に梁を優先するときは「梁勝ち」などというのです。

 動線にもそれがあって、動線を優先させるのか、リビングとかダイニングとか他のゾーンを優先させるのか、判断を求められます。

 動線を優先させる(勝たせる)というのは、必要な幅の帯状の通路がドンっとあってソファーやダイニングセットなどは動線に入らないように配置です。誰かが通ることを優先させた考え方です。参道やビスタのようにシンボリックでかっこよいですが、ちょっと堅い感じもしますね。まっすぐ歩かされるとちょっと退屈な感じがするので、動線の進行方向正面にフォーカルポイントとして何かをデコレーションするとか、いい景色の見える窓をつくるといった工夫があるととてもいい感じになります。また動線の堅さが部屋の雰囲気と合っているかよく考えましょう。ちょっとした出っ張りやカーブは歩く上でのアクセントになります。何も入っていないスープも透明感があっていいですが、クルトンやスパイスがあると一口一口の味わいや食感があって飽きないでしょう。それと似たようなものです。

 リビングやダイニングを優先させる(勝たせる)と、動線の中にソファーやダイニングセットが出っ張ってきます。動線という空間と実際に通れる部分とが分かれてしまうし、動線自体もやや蛇行します。気さくな感じでこれはこれでよし。でもワケもわからずあっちへこっちへ曲がりながら歩くのは面倒だし、不愉快な気分になります。このときも進行方向にアイキャッチになる飾りや窓などで誘導してあげましょう。勝っているソファーやダイニングテーブルのカタチや材質にアイキャッチの役割を持たせるとよいですね。気持ちのよい音楽のように動線自体が楽しめるものになります。日本庭園やイギリス式庭園などの回遊式庭園の考え方が参考になるのでは。

 どちらがいいかということではなく、その場にあった考え方で、動線を勝たせるか、他の部分を勝たせるかを判断する必要があります。そこに間取りのつかい勝手や考え方があらわれてくるのです。
どちらの場合も必要な幅を確保できるよう注意しましょう。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-04-20 11:36 | インテリアプランニング
間取りの基本—「動線」6
■ 動線はまっすぐ。折れるには理由、曲がるには魅力が必要。( 動線の基本−3 )

動線の幅や大きさ、どこからどこまでといったカタチについてはこれまで述べてきたとおりですが、それでは動線の性質はどうなっているのでしょうか。

まず、動線の基本はまっすぐです。何か特別な条件がないときには同じ幅の通路をまっすぐに引きましょう。道路みたいですね。動線というもの自体がもっている性質なのでしょう。とにかくまっすぐ行きたがる。それが動線です。何もないところを歩かされたら、とりあえずまっすぐ歩きますよね。(へそ曲がりな人を除く)折れたり、曲がったりするにはそれなりに何かが必要になってきます。

動線が折れるにはそれに相応しい理由が必要です。たとえば壁や柱があるとか、床がないとか、進入禁止の立て札があるとか、なにか落っこちているとか、何でもいいのですが、理由があってそれ以上進めないのですから仕方がありません。カクッと折れたり、グキッと折れたり、折れ具合も様々です。総じて折れる角度が急であればあるほどストレスや強い理由を感じます。動線を計画するときには、折れ曲がる理由があるかないか、そうするだけの理由があるかどうかを考えてみましょう。

「何か魅力的なもの」を用意すると動線はぐにゃっと曲がって行きます。きれいな花が咲いているとか、おいしそうな香りがするとか、何か気をひくものがあると何となくそちらの方へ曲がって行ってしまいますよね。このように何か惹き付けられるものがあると、動線はカーブを描くのです。カーブを描いた動線を歩くのは気持ちがいいものです。カーブしていくという動作が魅力的な何かを予感させているのかもしれませんね。曲がっていく先を見てみたいという誘惑も湧いてきます。こうしたカーブした動線を計画するときには、行く先に何か魅力的なものを置いたり、曲がり具合や行く先の見せ方などを工夫する必要があります。

今日はこんな感じで。
ちょっと加筆訂正。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-04-17 10:46 | インテリアプランニング
間取りの基本—「動線」5
■ 動線には幅がある( 動線の基本−2のつづき )

「手の範囲」って、いろんな意味を持っています。

 腕を前につき出すと、指先は胸から約60センチほど先まで伸びます。腕をよこに広げると肩から約60センチ、両手を広げると指先から指先まで約160センチの長さになります。身長や体格によって差があるのでしょうけれども、人間は身体を移動させることなくこの範囲のなかにあるものに触れることができます。

 この範囲内であれば、ものをつかんだり、移動させたりすることができます。自分の意思が自由になる範囲、といったらいいのでしょうか。そんな距離感があります。この範囲に手摺があれば、なんとかつかめるでしょう。

 次に肘から先を曲げて、手を前に出してみましょう。指先は身体から30センチほどのところにあるはずです。肘を少し動かせば40センチほどのところまで楽に移動できるでしょう。この身体から30〜40センチの範囲は、目にも近く細かい作業の出来る範囲といえます。本を読んだり、お料理をしたり、こうしてキーボードを打って文章を書くことも出来ます。

 誰かと対面したときは、こちらも60センチ、あちらも60センチ、合計120センチの距離が必要なのかなと考えます。お互いの支配的な範囲に入るまえに挨拶をする距離なのかもしれませんね。挨拶がすんだら名刺を取り出して名刺交換。名刺を取り出し軽くさし出します。肘を曲げて手が伸びる30センチと30センチで60センチぐらいの距離。お互いに軽く会釈して、お尻からお尻まで約120センチぐらいでしょうか。

 親しい人と歩くのなら相手と近い距離で並んで歩きますよね。手を動かしたときの身体感覚から来ているのかなと思うことがあります。親しい人と歩く動線は30センチ(手)+40センチ(相手)+30センチ(手)+40センチ(自分)+30センチ(手)で170センチから180センチあればいいことになります。相手とすれ違うのなら30センチ(相手)+30センチ(手)+30センチ(自分)で90センチ。

そんなふうに手の範囲と動線の幅は密接な関係にあります。

絵を描いて説明できればいいのですが、ただいま検討中です。


サトカズのホームページ
サトカズとは
サービスと料金
設計のプロセス
サトカズの作品集

>>>お問合せはこちら

[PR]
by satokazu_n | 2009-04-10 10:46 | インテリアプランニング