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間取りの基本―「ゾーニング」下書き5
やはりどうも図面なしでは説明しづらくなった。 丘の上の住まいを掲載したこともあるので、これを使ってゾーニングの手順などを説明してみようと思います。 普段どうやって設計しているかがよくわかると思うし、非常に基本的な手順というのは案外どこにも書いていないので、なかなか面白いのかもしれない。 例によって例のごとくプライバシーなどの問題もありますから、説明にも限界があることをご了承ください。 まず「丘の上の住まい」の敷地ですが、ある都市近郊のやや急な南斜面に位置しています。ひな壇造成されているのですが、よう壁の性質により建物を建てられる範囲がコンペ条件上、点線のように決まっています。通称「がけ地条例」によるものです。とはいっても根入れ深さや地盤改良、がけ崩れ対策などを講ずることにより緩やかに解釈される可能性もあるので、まずはこんなものか、という程度に理解しておきます。それ以外の敷地に関するデータをメモして下記のような図をつくります。 これ以外にも道路斜線や北側斜線といった高さの制限についても理解しておく必要がありますが、ここでは割愛いたします。とにかく設計上影響がありそうな情報を立体的に把握して、敷地を感覚的にとらえられるようにします。このあたりで間違うと最後まで尾を引きますね。 次に建築可能部分の大きさを把握します。法規や施工上の条件によって決まることがほとんどです。僕の場合は通常、敷地境界線から60センチ離した位置に線を引き、その内部に建物が建つと考えます。狭小地の場合は民法上の50センチよりも小さくできるかどうかを判断し、30センチの離れで線を引く時もあります。 今回の場合は題意から点線部分と決まっているので、それに倣います。その内部に910mmピッチの線を引きます。それが下の図です。 この910mmというのは木造の基本的なモジュールです。この2倍の1820mmが1間にあたります。マス目2こで畳1帖と考えれば話が早いです。住宅ですので「何帖の部屋」という言い方が一般的ですから、こうして畳のマス目を引いてエリア全体がどういう大きさなのかを、やはり感覚的にとらえます。だいたい4.5間x5.5間(24.75坪)の大きさということがわかります。 ここで題意より35坪が上限となっていたので、2階建にして上下階で半分半分だと17.5坪。上記の建築可能部分24.75坪からこれを引いて、約7坪程度減らすことができるのか・・・というのをつかみます。 敷地に関する理解ができたところで、ゾーニングに入ります。 まず入り口付近から固めていきます。敷地によっては様々なアプローチができる場合がありますが、今回は図の右上からしかアクセスできないので、建物の右上付近に玄関を設定します。そうなると駐車場はその左奥。ダイニング、リビング、和室や書斎といった快適性優先の部分は日当たりや眺めのよい南投付近に配置し、反対側には水回りなどの機能優先の部分が配置されることになりそうです。 ちょっと他にもなにかないかな・・・ということで、駐車場の位置を変更してみますが、あまりうまくいかなそうなので却下。この段階では、できる限り何も考えず、極めて一般的な解釈としてどんなものができるかを把握することが大切です。 今回は1階がリビングときめられていたので、2階リビングの検討はしていませんが、本来は1階2階でどんなゾーンにわるのか、とういう検討(見当)も必要です。それぞれのゾーンに要する面積により、それぞれの階のトータル面積が大体わかりますから、建物全体の大きさや面積のバランスを探っていく必要があります。 というわけで、どうなりますやら。 今日はこれまで。 サトカズのホームページ サトカズとは サービスと料金 設計のプロセス サトカズの作品集 >>>お問合せはこちら
by satokazu_n
| 2009-05-29 15:20
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