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樹があると町並みが本当に落ちつく。住みやすそうな印象が安心感を生んでいる。 面積を優先すると、まず樹が切り倒され部屋がつくられるのだが、外部に心地よい空間がないと住み心地は格段に悪くなる。 ふと気づくと二世帯住宅が途中だった。もういいかなと思いながら、もう少しだから続ける。 建物規模が45坪から50坪というのはいいが、世帯ごとの配分と配置が問題になる。 まず配置で考えたことは駐車場と庭の配置のことだった。理想としては、まとまった大きさの大きな外部空間がほしいと思った。外部が豊かであればあるほど内部も豊かになってくれる。窓をあけて外を眺められれば、住まいの面積など関係なくなるからだ。車のアプローチは無用の土工事さけるために、現在と同じ位置、つまり敷地南東に設ける。それと隣接するかたちで、庭をつくり、庭の周りに家を配置することにした。 さて、次にそれぞれの世帯の配分です。経験的に約28坪もあれば4人家族がゆったりと暮らせるだけの家をつくることが出来ます。(これも外部に庭があるか否かによります)それから9坪の家という考え方も建築界には定評があって、9+9で18坪の家であれば、2人で暮らすに不足はありません。よって28坪+18坪=46坪を配分としました。 じゃ、また。 #
by satokazu_n
| 2008-06-07 09:48
| 今日このごろ
昨日公開になったコンペの敷地が、たまたま外出先の近くだったために見に行く。背割り長屋の一角になっている。なかなかすごい敷地でよくもこのような土地が残っていたものだと驚く。いろいろな事情が重なって残ったのだろうが、宝石や奇岩が出来るのと同じ現象かもしれない。 それはそうと、こういう道もいいもので、近隣とのコミュニケーションが取れれば住みやすそうにも感じられる。決して潔い感じはしないが(生活とはもともとそういうものだから)、人と敷地が非常になじんだ状態が展開している。さてどのような家が建つのかな。 自動車を考える必要のない住宅はほとんどないのだけれど、そういう状況はうらやましいものがある。自動車を持つというのは一種の社会政策でもあるのだが、人の空間と車の空間がうまくなじまない、という課題がある。このような道をみるたびにそのよさを実感するのだけれど、ま、変わった見方としか思われないのだろうな。 自動車というのは、気分に応じて止まったり曲がったり、ましてやよそ見したりということは出来ない道具である。そういう意味で、歩くのとは違うスケール感(尺度)を持っているといえよう。歩いていてふと立ち止まる、小さなものに注目し、それらの存在と意思疎通するというのは、生身の体で歩いていることのメリットである。そのメリットが遺憾なく発揮されるのが、この写真のような路地であると思うのだが・・・ そんなことの前に建設用の機械が入るか心配になる。昔と違ってきちんと地盤補強をするから、工法を選ぶ敷地になりそうという感想を持つ。ただし重視しすぎると依頼者の思惑から外れるので、それは採用後の宿題ていどにすること。 #
by satokazu_n
| 2008-06-06 07:58
| 今日このごろ
おはようございます。
世過ぎ身過ぎで今日明日はあちこち外回りになります。よって更新ご勘弁。 ところでこうやって文章を書くようになった動機ですが、日常的な仕事をしながら日夜住宅コンペなどに提案をしていると、いろいろ疑問に思うことがあり、また同じように感じている人も多いことを感じます。これまでは何かの機会に書き込みなどしていたのですが、少しまとめて書いてみたいと思うようになりました。 住宅コンペというのは、いろいろ不備な点、問題点が多いのですが、なぜか可能性を感じています。それがどういうものかはわからないのですが、やはり、何かのカタチでまとめていくことが必要ではないかと考えています。 というわけで、また。 #
by satokazu_n
| 2008-06-05 08:36
| 今日このごろ
今日は忙しいので写真は、なし
二世帯住宅の続きです。 規模算定の後は法規チェックがあるのですが、敷地が広くて規制内容も比較的緩やかなため簡単に済ませてしまいます。今回は帖的条件が緩いため、デメリットよりもメリットの発見の方に重点が置かれます。 広い敷地の法規的なメリットとしては、何といっても延焼の恐れのある範囲(以下、延焼線という)が掛からないことにあります。例えば木製サッシが使用しやすかったり、外壁の種類を選ばない、例えば木でもいいということになります。設計上はおいしいところなので見逃さない。それから高さ規制の道路斜線、北側斜線も緩いので、ほとんど無視出来るため、建物形状もスムーズにスタディできることに安堵。 法規はこれくらいにして、次はゾーニング、つまり配置計画になります。 配置の要素としては、もちろん住宅本体と、アプローチ、駐車スペース、駐輪スペース、庭など。さてどう置くか。今回はやはり予算条件が厳しいので、地面の形状を変えるような土木工事は避ける。土を掘ってしまうと、残土処分とか土留めとか擁壁など次々と費用項目が増えて高額になってしまう。そんなことなら敷地形状を活かした計画をした方が費用的に助かるし、なにより敷地のおかれた環境にフィットすることで快適さを発見出来ることにもなる。やはり、特殊な事情がない限り無理なことはしない方がよいということで決定。 敷地形状というのは、出来立ての分譲地でさえ様々な情報が隠されているので見落とせない。たとえばその土地の成り立ち、地史、地面の歴史がその場所の状況や注意点を教えてくれる。土地の大きさは建物の大きさを決めてしまうだけでなく、方位や高低差などの地勢によって住まい方さえ規定されてしまうもので、こういった積み重ねが土地の成り立ち、地史として残っていたりします。個人的には大変興味があるのですが、これはまたいつかまとめてみたいと思います。 残念ながら今日はここまで。 追記: ここでの文章は起き抜けのウォーミングアップのために書いております。よってやや雑駁。 #
by satokazu_n
| 2008-06-04 07:54
| コンペ雑感
昨年関係した物件がようやく完成 今日は、建築家ってなに?とか設計事務所とは?という話の続きにします。 建築家または設計事務所と工務店、ハウスメーカーの違いを説明するときに、何を「利益」とするか、利益の名目は何か、ということに着目すると一番わかりやすいのではないかと思います。外国を旅行したときに現地の人が何を食べているのか興味が湧くのですが、それとにたようなことかもしれません。どの分野も経済活動を行っているのですから、最終的に経済的な利益を目的としていることは確かとしても、その名目、つまり、どういう理由で利益を得るか、会計学の実現主義的にいえば何を持って収益を認識するか、に違いがあります。 建築家、設計事務所というのは建物を考え、表現するところです。と、前回説明しましたが、利益に対する姿勢もそのとおりで、どれだけ考えが実現できたか、支持され、認められたか、ということに「利益」の本質があります。もちろん、実現出来てうれしいな、では生活出来ませんから、結果的に事後的に経済的利益に還元されている、ということになります。 この建築家、設計事務所の本質的利益と経済的利益のバランスや重み付けは企業の経営方針のようなもので、人によって違うのですが、本質的利益に重みを置く人が建築家、設計事務所で、そうでない方はそうでない方なのだと僕は思っています。 いかがでしょうか。 #
by satokazu_n
| 2008-06-03 09:17
| 今日このごろ
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